会社の建物が老朽化。外壁修理の費用は修繕費として全額経費にできる？

き損した部分の原状を回復したり、通常の維持管理のために必要な場合は、修繕費になります。外壁の例ですと、一部が劣化・破損してその部分の修理をする場合は、原状回復費用と考えてよいでしょう。

修繕費として経費にならない場合とは？

例えば、外壁の全体について断熱性を高める素材に交換するなど、元の状態よりも価値や耐久性が増す場合は、新たな資産の取得と同様に、固定資産として減価償却の対象になります。これを「資本的支出」といいます。
大規模な修理や改修工事をした場合には、内容をよく確認することが必要です。

工事内容が原状回復費用か資本的支出か区分できない場合もある？

原状回復費用か資本的支出か区分できない場合には、形式的な基準も認められています。修理金額が次の①または②のいずれかに該当する場合には、修繕費として計上できます。
 
①60万円未満
②対象資産の前期末における取得価額の10％以下
 
原則的にはこの形式的な基準を超える場合は資本的支出ということになりますが、特例として修理金額の30％と前期末取得価額の10％のいずれか少ない金額を修繕費として計上し、残りの金額を資本的支出とすることも認められます。ただし、この方法は同様の費用が発生したときに継続して適用することが条件です。

災害で損壊した場合の修理でも同じように判断してよい？

災害の場合は、通常とは異なる特例が認められています。被害を受けた資産を被災前の状態に戻すための復旧費用であれば、金額にかかわらず全額修繕費となります。また、資本的支出かどうか区分できない費用は、その金額の30％を修繕費、70％を資本的支出として計上することができます。
修理を行う際は、災害時に限らず、破損部分の写真を撮るなど修理前の状態を記録しておきましょう。経理処理の判断をするときにも役立ちます。
 

 
宮城県仙台市の旭日税理士法人では、税理士が多数在籍しており、グループ内他士業とも連携しながら皆さまのサポートをいたします。
税務に関する疑問や不安などがございましたら、お気軽にご相談ください。